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2021年06月03日 農福連携事業

「農福連携事業/「はたらく生活介護」として障害の重たい利用者の作業も創出」

八幡西障害者地域活動センターが農福連携事業に取り組み、5年が経過した。現在では就労継続支援B型事業の利用者だけでなく、「はたらく生活介護」として障害の重たい利用者の活動の場としての取り組みも始まっている。

同事業を開始した当初は、「圃場に出られない利用者の作業はどうするか」「障害の重たい利用者の活動はどうするか」という課題があった。「利用者全員が一緒に同時にできる農福連携事業の活動」が理想だが現実的には難しく、取り組みながら、それらの課題を解決していった。収穫した野菜などは同活動センターに持ち帰ることで、室内での「出荷調整」という作業ができた。また、野菜を育てるには種まき、育苗という前段階があり、室内で活動する利用者がそれらの作業にあたった。室内で出荷調整を行う利用者が荷姿を美しく仕上げることが売り上げにつながり、育苗することで圃場での作業ができるなど、外の圃場、中の室内で作業する両方の利用者がいて、同事業が成り立っている。そのことは利用者もわかっており、同活動センターでは利用者全員が参加者で主体者になれ、誰もが幸せになる関係性が作れるのが同事業の素晴らしいところで魅力だとしている。

現在は、大根の種取に注目し、茎から種のつまった房をハサミでとる作業を中心に行っている。大根は9月前後に種を植え、翌年1月前後に収穫できるようになるが、その種まき、収穫の時期が少しでもずれるとうまく育たない。うまく育たなかったものは通常は廃棄扱いになるが、今年はそのまま育てて種を取ってみることにしたという。大根はアブラナ科で、特徴として種が多くとれる。その種は秋に撒くための種として活用したり、「カイワレ大根」として栽培したりすることができる。ちなみに「カイワレ大根」は今春、試行的に栽培しうまくいった。それらのことから種を販売するという仕組みができるのではないかと期待される。また、この作業は就労継続支援B型事業の利用者だけでなく、生活介護の利用者も意欲的に向き合うことができ、日々の活動となる作業量もある。

同活動センターでは、今回の大根の種取など、これからも同事業で「はたらく生活介護」として障害の重たい利用者の作業も創出し続けていくとしている。

(写真は、大根の茎から種のつまった房をハサミでとる作業を行う、同活動センターの利用者ら)