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2021年11月18日 研修

第2回「精神障害支援者研修」/依存症やパーソナリティ障害などについて研鑽

第2回「精神障害支援者研修」が11月8日、戸畑区の「育成会会館」で開催され、北九州障害者しごとサポートセンター、クラルス、飛翔館の職員のほか、希望する職員など28人が参加した(写真)。
育成会では、中期経営計画の4つの柱のひとつ「良質かつ安全なサービス提供の実現」で「専門性の向上」を掲げており、精神障害への理解を深めることを目的に今年度、同研修を実施している。この日は、4月に開催した第1回に引き続き、西南女学院大学保健福祉学部福祉学科の今村浩司教授を講師に招き、「精神疾患を正しく知ろう」をテーマに講義が行われた。前半は、依存症(アディクション)について説明が行われた。ある物質・薬物を繰り返し摂取しているうち、その物質・薬物が有害と分かっていても、その物質・薬物をやめられなくなる状況を「物質依存」と呼び、物質依存の3要素として「精神依存(物質・薬物の強い欲求が生じ、自分ではコントロールできない状態)」「身体依存(物質・薬物の使用をやめると身体症状 (禁断症状) が現れる状態)」「耐性(物質・薬物を繰り返し摂取しているうちに、同じ量では快感が弱くなり、同じ効果を得るために摂取量が増えていく状況)」があることなどが述べられた。なかでもアルコール依存症の治療については、「節酒ではなく、断酒 → 断酒の継続が原則」で、特に家族の関わり方や支援が重要とし、「家族は本人の言動に過剰に世話を焼く、面倒を見る等、巻き込まれることにより、意図せず本人の飲酒行動を支援することが多い(共依存の状態)。家族が共依存から脱却し、温かく、しかし毅然と本人を見守れるよう医療機関と連携しながら、家族の支援にも気を配る必要がある」と説明した。後半は、Aグループ(奇妙または風変わりな様子を特徴とする)、Bグループ(演技的、感情的、または移り気な様子を特徴とする)、Cグループ(不安や恐れを抱いている様子を特徴とする)に分けられる10種類のパーソナリティ障害について説明が行われ、適切な距離感を持って治療にあたることの重要性が述べられた。なお、同研修は全3回開催予定で、第3回は12月6日に児童精神科領域や事例をテーマに行うこととしている。