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2021年12月16日 研修

第3回「精神障害支援者研修」/治療者への対応方法などについて研鑽

「第3回精神障害支援者研修」が12月6日、戸畑区の「育成会会館」で開催され、北九州障害者しごとサポートセンター、クラルス、飛翔館の職員のほか、参加を希望した職員など23人が参加した。
育成会では、中期経営計画の4つの柱のひとつ「良質かつ安全なサービス提供の実現」で「専門性の向上」を掲げており、精神障害への理解を深めることを目的に今年度、同研修を全3回実施している。
この日は、前回に引き続き、西南女学院大学保健福祉学部福祉学科の今村浩司教授を講師に招き、「精神疾患を正しく知ろう」をテーマに講義が行われた。前半は前回の復習として動画を視聴し、治療者への対応方法などが説明された。このなかで治療者への対応として、「情報交換を綿密に行い、一貫した対応をとる」「治療の限界を示し、約束事を決めて治療契約を結び、過度の理想化(※相手は自分の要求を何でも叶えてくれる素晴らしい人と認識すること)が起こらないようにする」「決してたじろがない」「入れ込まない」などが挙げられた。また、「入りすぎず・見捨てず・ちょうどいい距離を保つ」ことが重要であるとした。さらに全3回の総括として、「精神障害者はかつて『特別な病気』と考えられていたが、実は『ありふれた病』のひとつであり、研究の進んだ治療が可能な病気である。精神障害者が地域で、社会で、普遍的な生活を送るには、その周辺で関わりをもつ我々がまず病気について、しっかりと理解することが重要。物事には良い面もあれば、つらい、困る場面もある。良い面を見つけるように工夫すると、互いの気持ちもいくらか楽になる。また、良い面は褒めてあげ、『かまえすぎず、自然体で接すること』が一番」と強調した。
最後に今村氏が委員を務める育成会の苦情解決制度について説明が行われた。今村氏は平成17年の就任以来、16年間にわたり、育成会の苦情解決委員を務めており、「現在の育成会は情報を共有していくことで、利用者から寄せられた苦情や要望に迅速に対応している。積極的に耳を傾けることで、浮かび上がった問題点の改善を図っていき、サービスの質の向上につながっており、とても風通しの良い体制がとれている。ぜひ前向きに捉えてほしい」と述べ、研修を締めくくった。