法人NEWS
2024年01月31日 その他
障団連の出前講座で利用者・元山隆典さん、川上美晴さんが講師を務め、障害理解を啓発
北九州市障害福祉団体連絡協議会(障団連)では、地域住民に障害者への理解を啓発する目的で出前講師活動を行っており、1月19日、23日に八幡西区の穴生学舎で開催された「出前講座」で19日は日明リサイクル工房・従業員(利用者)の元山隆典さんが、23日は本城リサイクル工房・従業員の川上美晴さんが講師を務めた。また、19日、23日ともに約30名の地域住民等が参加した。
19日の元山さんの発表では、幼少期に過ごした入所施設、とばた通勤寮(現飛翔館)での経験が現在のグループホームでの生活に生かされていることや日明リサイクル工房での作業のことなどについての話しが行われた。また、自動車免許取得の夢が叶ったことやこれから一人暮らしの夢に向かって取り組んでいくことなども語られた。最後に、元山さんは公共交通機関や娯楽施設を利用時に療育手帳を提示することで人の目が気になるという経験談も踏まえ、「知的障害は外見ではわかりづらい障害だと僕は思います。僕は知的障害がありますが、その分、意思表示します。しかし、意思表示をするのが難しい障害者もいます。障害者の中には自分で助けを呼べない人もいるので、その時こそ皆さんの支援があったら障害者の方々にとって働きやすい職場になったり生活もしやすくなります」と、当事者である自身の意見を述べた。
23日の川上さんの発表では、一般就労したものの様々な理由で長く勤められなかったことや、本城リサイクル工房では役員も担いながら充実した日々を過ごしていること、昨年秋から単身型グループホームに入居したことなどが語られた。また、自身の経験を踏まえて、「障害のことをばかにしている人を見ると悲しくなります。障害のある人も同じ人間です。障害のない人はある人と仲良くしてほしいです」と思いを述べ、発表を締めくくった。参加した地域住民からは「君たちは私たちと何も変わらないじゃないか。自信を持ってほしい」、「今日は参加できて、とても勉強になった」などの感想が聞かれた。
法人育成会が障団連から「出前講座」を依頼されて今年で9年目。法人の当事者活動委員会のメンバーが講師を務めており、今回で元山さんは6回目、川上さんは2回目の登壇となった。「自分たちのことを知ってもらおう」を発信するこの啓発活動には、今後も同委員会メンバーを中心として参加し様々な人にその発信メッセージを伝えていく。(写真上が発表する元山さん、下が川上さん)