法人独自の取り組み
2021年05月21日 農福連携事業
#農福連携 #87 「利用者の目の色が変わるとき」
利用者支援のなかで、必ず語られる「アセスメント」「見立て」。利用者との関わり、観察のなかで、アセスメント項目をチェックすると
ほぼ誰がやっても同じような結果がうまれ、人によって極端に偏った支援がなくばらつきもでにくい。本人にとって統一された心地のよい支援に繋がるものと信じてきた。今までは。
ただ、落ち着くから、情緒が安定するからの理由でそれがまるで正解かのように支援が継続されてきた。その状態が好ましいとおもっている人はいることは承知しているし、今後もそのような顧客層は一定数いることは予測もできる。ふと立ち止まると果たして私たちの支援は正解なのだろうかといつも感じている。
「同じ事ばかりさせる」しかも何年も何十年も・・・。
わたしたちの部署では決めていることが一つある。今やっている事はけして正解ではない、最適解を目指そうという事。
正解がない前提で、多様なニーズはあり、最も正解に近しいであろうものを「最適解」の支援として提供する事で彼らの人生がより好転していくものと信じている。
さて、今年度の農福連携は、年度初めから少量多品種に挑戦するため、多種多様な作業が同時期に提供できている。利用者の希望を尊重し、やりがいをもって向き合えるように工夫して活動提供している。
一日で活動提供したものは、以下の通りである。
①畝立て
②もち米の種籾まき
③まめとり
④スナップえんどう豆の出荷調製
⑤オリーブの葉もぎ
⑥モロッコいんげんの支柱立てと誘引
これらは、一週間でしたものではなく、ある一日で同時進行的におこなったことである。
作業提供も個別支援にできるだけ近づけている自負あるし、利用者も戸惑うことなく、真摯に受け入れて、真面目に取り組んでいる。受けた利用者は、拒否することはほとんど見られない。与えられた役割をどことなく、誇らしくおもうのか、目つきが変わるような気がしている。彼らのなかでは、「今しないと、間に合わない、野菜ができない」なんて、うすうすながら知っているのではないだろうか。
福祉の作業所といったら、万年、内職みたいな仕事を下請でやって、昇給も望めない。もしかしたら利用者たちの成長を止めてしまっている単純反復作業ばかりさせているのではないかとの反省にいつも立つようにしている。
農福連携が産み出す仕事は、今時期はこれの作業をやり、つまり季節に応じた作業提供をすることで、本人にとって刺激になっているし、もしかすると、働きがいや生きがい、やりがいに繋がっていたとしたら、農業のもつ奥深さや魅力を感じざるを得ない。
さすが農業6000年続く、仕事。これからもきっと続くであろうこの農業は、農福という新しい概念のもと、衰退ではなく、発展するものと信じてやまない。
(写真は、ご本人様の同意を得て、撮影、掲載したものです。)
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